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STORY

 

誰かがしめた鍵

誰かがあけた鍵

今年もまた行商人の噂を耳にしました。
どうやら、またこの街に帰ってくるのだと!無事に旅から帰ったんですね、
今回の旅はどんなものだったのでしょう。彼の集めた”見知らぬ世界の物語と品々”を、今年も心待ちにしていました。
 

噂では”カギの行商人”と呼ばれていました。

ええ、そう、鍵。あなたも1つくらいはお持ちでしょう、使ったことがあるでしょう。けれど、鍵というものは、それだけではなんの役に立つものではない。…あの行商人が集めてきそうな品ですね、きっと”何か”があるのでしょう。

行商人は旅をする。
ありとあらゆる時と場所で、
見聞きしたたくさんの物語とそれにまつわる品々をあつめ
そして店に訪れる者には"世界を渡る"ちからをくれる。
 
彼の足で、空を泳ぎ、海を歩く。
彼の目で恋をし、
彼の耳で息吹を聞き、
いつしか私たちも彼が語る物語のひとつになって世界を渡っている。

架空の行商人

Installation art

架空の登場人物”カギの行商人”の店へ訪れて、彼の旅の話を聞いたり、集めた品々を見て、欲しいものがあれば購入する。…展示会場は「行商人がひらく店」、作品は「行商人がどこかの世界から集めてきた、本物の品々」で、そこに訪れるあなたも登場人物のひとりになります!

カギの行商人の世界観をたのしんでいただくことで、この場所や空間全体を作品として体験するインスタレーションという形の展示ができあがります。

 

今回は様々な”カギ”と共に、"鍵"をもつ者たちしか知り得なかった”秘密”の物語が集められました。

ああ、ご安心を!店を出ても、ここで見知った秘密や手にした鍵は、ずっと本物のままですよ。

鍵と秘密

key & secret

鍵はただの道具です、とカギの行商人は笑って云いました。
「秘密を知らないあなたには、何の価値もない鍵でしょう。何の鍵かも分からないのに、あなたが持っていたって仕方ない。…ええ、でも、気になるでしょう?もしかしたら、と考えてしまうでしょう?でもご安心なさい、私があなたにお売りするのは”ただの道具”ですから!秘密の鍵も、鍵の秘密も、これからはあなたの中だけにお持ちなさい。」

 

今回、行商人があらゆる世界を渡って集めてきたものは”鍵”と"秘密"でした。作家は"鍵をにぎる者"か"秘密を知る者"として参加し、カギの行商人に語られる”物語”をつくります。

 

特色と趣旨

purposes

複数の作家がひとつの会場で展示する、グループ展やテーマ展というものが近年多くみられます。行商人企画の特色は、キュレーション企画*であることと、インスタレーション展示**であることです。
キュレーターが作家をサポートして展示計画をまとめることで、多様な作品が相乗効果で魅力を引き出しあったり、新しい一面や価値を発見できればと思っています。また、インスタレーション展示という、その場でしか体験できないおもしろさを知って頂くことで、今後ほかの展示会へ足を運ぶ機会が生まれればうれしいです。

 

…あまり難しく考えず、たのしんでください!

鍵はただの、道具です。
鍵をかけるために使い、鍵をあけるために持つ。
それが”何かのカギ”だから、はじめて物語は語られるのです。
 
星の数はとうに数えてしまったが、まだ話は尽きないのです。
 
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